倒産後、とりあえず派遣という働き方がどんなものか気になっていた。
車が好きだったこともあり、最初はダイハツへ応募した。
結果は不採用。
理由は分からないが、多分、年齢だったと思う。
次に紹介されたのがキヤノンだった。
「カメラレンズの搬送装置の組み立てです」
そう聞いて、給料は安いと思ったが、面白そうだと思い応募した。
無事に採用され、赴任先で説明会に参加すると、最初に言われたのがまさかの一言!
「このカメラ装置の組み立ては半年で終了します」
「うっそーーん」
それなら最初に言ってくれれば、受けていなかったのに。
そんな気持ちはあったが、とりあえず働くことにした。
そこで初めて、自分の体が思っていた以上にボロボロになっていたことを知る。
会社を立て直そうと、一年半近く泊まり込みで働き、昼夜関係なく仕事を続けた。
睡眠も食事も休日も不規則。
そのツケは、想像以上に体へ積み重なっていた。
立ちっぱなしの仕事に、体がまったくついていかなかった。
今まで気にしたことがなかったが、自分を見る余裕ができて気づいたが、足はパンパン。足首なんて、どこへ行ったのか分からないくらい浮腫んでた。
明らかに不健康な体だった。
ところが、鉄工所時代とは生活が一変した。
夜9時には寝て、朝6時に起きる。
食事は3食きちんと食べる。
土日はしっかり休める。
仕事は、自分の担当だけをこなせばいい。
それまで失っていた「当たり前の生活」が、少しずつ戻ってきた。
約5か月働いた頃には、あれだけひどかった足のむくみもなくなり、足首にはちゃんとくびれが戻っていた。
体調もすっかり回復した。
ようやく壊れかけた体を立て直した。
睡眠も戻った。
食事も整った。
休みもある。
これで、体重も少しは減っているだろう。
そう思っていた。
……ところが、現実はまったく違った。
赴任先の杵築市には唐揚げ屋さんがたくさんあった。
そこで私もこの美味しさを追求しようと、休日のたびに「究極の唐揚げ」作りに夢中になり、気が付けば体重は127kg。
足のむくみは消えた。
体調も回復した。
足首のくびれも戻った。
なのに、気がつけば体重だけは人生最高記録を更新していた。
究極の唐揚げのレシピをゲットした代償は、過去最高の体重だったのだ。



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